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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻11号

1987年11月発行

文献概要

論述

当科における外傷後膝関節授動術の検討

著者: 古賀良生1 中村尚1 田島達也1

所属機関: 1新潟大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1232 - P.1241

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 抄録:当科の外傷後膝拘縮に対する授動術の方法,後療法の変遷と術後成績を検討した.1955年以降施行した膝授動術98例中,大腿骨などの骨折後が83例であった.手術法はThompson法に準じた四頭筋形成術と膝関節内剥離合併が主で,初期例では大腿直筋総腱延長を施行,膝蓋上嚢にJK膜を挿入し,後療法としては3週間の外固定を行った.これに対し,1981年以降は,直筋延長は行わず術中最大限の他動屈曲の獲得を狙い,術後早期自家制御最大屈伸訓練を,さらに1984年からはcontinuous passive motionを導入した.骨折後の83手術例のうち47例を直接検診できた.直筋延長群(11例)の成績は非延長群に比し劣っていた.非延長群について検討すると,関節内骨折(14例)関節外骨折(22例)で骨折部位による差は明瞭でなかった.検診時可動域90度以下(10例)を不良群とすると,これは術前可動域が25度以下のものが多く,術前50度以上のものはなかった.受傷から授動術までの期間が30ヵ月以上の例では成績不良が多く1年以内では少なかった.手術時年齢40歳以上は不良が多く20歳以下では不良例は少なかった.術後早期の可動訓練開始で術後最大可動域に達するまでの期間が短縮され,また最終成績も改善された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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