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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻11号

1987年11月発行

文献概要

論述

Alveolar soft part sarcomaの予後と治療成績—自験例7例および本邦報告例の検討

著者: 加藤博之1 佐々木鉄人1 八木知徳1 姥山勇二2 井須和男2 篠原正裕3

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2国立札幌病院整形外科 3北海道大学医学部放射線科教室

ページ範囲:P.1261 - P.1270

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 抄録:Alveolar soft part sarcomaの7例の治療経験を報告した.男性が4例,女性が3例で,部位は大腿が3例,下腿が2例,上腕と腹壁が各1例ずつである.血管造影所見は動静脈奇形と類似して,栄養血管の拡張,tumor stain,A-V shuntが認められた.動静脈奇形との相違点は,栄養動脈の蛇行が軽度で腫瘍性偏位を有し,tumor stainの境界が明瞭で静脈相まで残存する点であった.死亡例は5例で,その全経過は1年8ヵ月から8年9ヵ月(平均3年5ヵ月)であった.生存は2例で,経過観察期間は3年2ヵ月と3年である.自験例を含めた本邦報告例68例の予後と治療成績を検討すると,生存率は3年で69.1%,5年で44.5%であり,無病率は3年で30.1%,5年で19.6%であった.19歳以下の女性例の予後は有意に良効であった.手術方法では摘出術は局所再発が多く根治的広範囲切除が望ましい.放射線治療は11例のうち7例に効果が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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