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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻11号

1987年11月発行

文献概要

論述

aneurysmal bone cystの成因について(その3)—嚢腫内液の検査およびPAP法による組織学的検査結果から

著者: 石田俊武1 大向孝良1 高見勝次1 宋景泰1 奥野宏直2 石川博通2 小野興三郎3 久保俊雄3 西浦道行3

所属機関: 1大阪市立大学医学部整形外科学教室 2日生病院整形外科 3大阪市立池田病院整形外科

ページ範囲:P.1271 - P.1278

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 抄録:aneurysmal bone cystの成因についてのLichtensteinの主張する循環障害説に反対して,著者らはosteoclastまたはosteoclast様細胞の作用が主原因であると主張しているが,今回は15歳女性の左恥骨に発生した本疾患の嚢腫内液の性状の検索(静脈血との比較)および脈管学的検査結果から,嚢腫腔の形成および凝固しない血液の出現の機序について新しい考え方を述べた.すなわち,嚢腫内液は,血小板,fibrinogenの著明な減少,FDPの増加を除き静脈血と殆んど変らない.病理組織学的には病巣組織内細血管内に血球,fibrin混合血栓の形成がみられる.これらの結果から,病巣組織内細血管内で局所型の血管内凝固現象が発生し,凝固しにくくなった血液の血管外遊出が起る(PAP法によるfibrinogen染色施行).血栓形成によって壊死になった部分へ肉芽組織が進出してきて大循環系とは別個の静脈路が形成されると同時に,その壊死になった部分に遊出した血液が貯溜し嚢腫腔を形成する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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