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臨床経験
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抄録:第7頸椎椎体後縁に発生し,脊髄圧迫症状を呈した単発性骨軟骨腫の1例を報告する.症例は23歳の男で17歳時に両下肢のだるさで発症し,他医にて頸髄腫瘍の診断で椎弓切除をうけたが症状改善ないため精査を兼ねて当科に入院した.神経学的には第1胸髄レベル以下のBrown-Séquard症状を呈し,諸検査より骨軟骨腫を疑い,腫瘤摘出と頸椎前方固定術を行った.摘出腫瘤は組織学的に骨軟骨腫であることが確認された.術後経過は順調で,左下肢腱反射の亢進を残す以外はほとんど正常に回復した.骨軟骨腫による脊髄圧迫の報告は,渉猟し得た範囲では国内外合せ50例あるが,椎体後縁より発生したのは2例のみと思われる.脊椎の発生は骨核中心が3つ存在しそれらが内軟骨性骨化を営みneuralarchを形成するが,本症例の骨軟骨腫の発生機序は,椎体の骨核中心の癒合部におけるモデリング異常ととらえる立場より考察を行った.
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