icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻11号

1987年11月発行

文献概要

臨床経験

頸椎黄色靱帯石灰化症により脊髄症状を呈した1症例

著者: 若狭雅彦1 岡田雄二1 真鍋英喜1 立川昌宏1 久保田政臣2 安井弥3

所属機関: 1広島共立病院整形外科 2松山赤十字病院整形外科 3広島大学医学部第一病理

ページ範囲:P.1325 - P.1330

文献購入ページに移動
 抄録:頸椎黄色靱帯石灰化により脊髄症状を呈した稀な1列を経験したので報告する.症例は,67歳女性で歩行障害と両手指巧緻運動障害を主訴として入院.現症として,四肢痙性不全麻痺を認め乳頭部以下に軽度の知覚障害を認めるも深部知覚障害はなく,日整会判定基準は8点であった.X線では,C5/6,6/7レベルの脊椎管後方に小豆大の石灰化様陰影を認めた.脊髄造影では同部位に一致して硬膜外圧排像を認め,Metrizamide CTではそれがより一層鮮明に描出されていた.このため頸椎黄色靱帯部腫瘤による脊髄症と診断し,昭和61年2月13日手術を施行した.C4からC7までen-blockに椎弓切除術を施行したところ,C5/6,6/7椎弓間部の腹側に腫瘤形成を認め,硬膜とは高度に癒着していた.組織及び成分分析では,燐酸カルシウムを主体とする黄色靱帯の石灰化であった.後術4ヵ月の現在,杖なしで歩行可能となり経過良好である.自験例を含め文献的考察を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら