icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻11号

1987年11月発行

文献概要

臨床経験

膝蓋骨dorsal defectの1例

著者: 桜井清治1 栗崎英二2 新名正由2 下村裕2 右近良治3

所属機関: 1防衛医科大学校整形外科学教室 2大阪逓信病院整形外科 3国立大阪南病院整形外科

ページ範囲:P.1339 - P.1343

文献購入ページに移動
 抄録:dorsal defect of the patellaは膝蓋骨のレ線上の異常陰影として1972年Caffeyらによって報告されたが以後の報告は多くなく,その本体は未だ明らかでない.膝蓋骨の近位外側,関節面より境界明瞭な円形の透亮像として認められるレ線所見と10代に集中してみられることが特徴であり,病理では変性と修復像を呈するというが詳細は報告により異なる.無症状例も多く,概ね良好な経過をとる疾患である.
 われわれは膝関節痛を主訴とする12歳女子の膝蓋骨に上記のごとき典型的レントゲン所見を認め,病巣掻爬を行った.病巣は硬化した骨に囲まれた球状の線維性組織で関節軟骨直下に存在し,軟骨はその部分で陥凹していたが,変性や穿孔はみられなかった.また病巣内には線維性組織吸収の進んだ壊死骨や,一部滑膜様組織も認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら