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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻12号

1987年12月発行

文献概要

視座

医学における研究の価値と条件

著者: 石井清一1

所属機関: 1札幌医科大学整形外科

ページ範囲:P.1347 - P.1348

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 整形外科の分野でも,最近の学会や研究会の多さには驚くばかりである.そこで発表される論文の数に反して,日本の研究にオリジナリティーがないことは,われわれは漠然と実感している."生物科学の奔流〜創造的研究の提言〜"(井川洋二編,共立出版株式会社)という本の中で,西村暹氏が日本の研究のオリジナリティーについて書いておられる.最近の論文引用頻度の高い研究者を上位から1000人とり,それを国別に分類したガーフィルドのデータによると,米国が736名と圧倒的に多い.次いで英国(85名),スエーデン(42名),フランス(26名),カナダ(23名),西ドイツ(21名),スイス(13名),オーストラリア(12名),そして日本(11名)の順である.
 西村氏によると,日本人の研究には新しい酵素や生体成分,抗生物質などを分離し,その作用を明らかにしたものに勝れたものが多いという.一方,新しいセオリーを打ち立てて,その仮説を緻密な構成力をもとに実証して行くような研究になると,日本人は欧米人に立ち打ちができない.これには,漠然とした情緒的な日本語でものごとを考えているうちに,自然に形成された日本人の国民性がおおいに関係している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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