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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻12号

1987年12月発行

文献概要

論述

骨粗鬆症に対する活性型1α-OHD3の治療成績

著者: 増田武志1 金田清志1 松野誠夫2

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2美唄労災病院整形外科

ページ範囲:P.1349 - P.1354

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 抄録:老化には加齢による免疫系の異常が大きく関与している.老人性骨粗鬆症は骨の老化現象と考えられるので本症を免疫学的観点より検索することの意義は大きい.本研究は骨粗鬆症患者に活性型ビタミンD3 1α-OHD3を1年間1μgを投与し,その効果を主に免疫能の点より検討した.投与前PPD反応が疑陽性・陰性群で本剤投与後陽転化の傾向が認められた.また,自己抗体である抗DNA抗体陽性例は骨粗鬆度の軽いものにみられ,投与後陰性化した例が多かった.これらのことは骨粗鬆症にみられる細胞性免疫の低下および自己免疫機序の低下が活性型ビタミンD3によって正常化されることを意味している.本剤の効果を臨床的にみると除痛効果が1ヵ月過ぎより認められ,X線学的には骨量の有意の増加はなかったが骨量は維持されていた.以上のことより,活性型ビタミンD3は骨粗鬆症の治療において大きな役割を果たす可能性のあることを示唆している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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