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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻12号

1987年12月発行

文献概要

論述

特発性大腿骨頭壊死症のmicroangiographyによる研究

著者: 大園健二1 高岡邦夫1 西塔進1 清水信幸1 仁科哲彦1 斉藤正伸2 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室 2香川医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.1355 - P.1363

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 抄録:特発性大腿骨頭壊死症(IANF)の摘出骨頭にmicroangiographyを行い血行途絶部位の推定を試みた.対象は19例25骨頭である.摘出直後,内側大腿回旋動脈のposterior collum branchより造影剤を注入し固定,bone slab作成ののち,脱灰し軟X線撮影を行って観察した.壊死範囲の大小にかかわらず,すべての例で正常のlateral epiphysial artery,inferior metaphysial arteryが追跡でき,骨頭内の走行途中から急に屈曲,分岐,蛇行などの異常な形態を示したのち消失していた.このような血管形態から骨頭内において,①無血管層,②修復血管層,③正常血管層,の3層を形成することがわかった.また各層は組織学的にも①では壊死層,②では壊死後の修復層,③では壊死の痕跡のない正常層,とそれぞれ対応していた.以上のことからIANFのpathomechanismとして栄養動脈の骨頭内分枝において多発性の血行途絶が発生したものと推察された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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