icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻12号

1987年12月発行

文献概要

臨床経験

ムンプス関節炎の1例

著者: 森永伊昭1 久米守1 木村弘1

所属機関: 1十和田市立中央病院整形外科

ページ範囲:P.1399 - P.1402

文献購入ページに移動
 抄録:ムンプス(流行性耳下腺炎)は睾丸炎,膵臓炎,髄膜炎,その他種々の臓器の炎症を合併することがあり今日では全身性疾患として理解されている.我々はきわめてまれな合併症であるムンプス関節炎の1例を経験した.症例は8歳女児で,ムンプス患者に接触し16日後に,耳下腺炎に先行して右第3指PIP関節炎が発症した.疼痛・可動域制限は第24病日には消失した.ムンプス抗体(CF)は第10病日:16倍,第31病日:32倍であった.ムンプス関節炎は21〜30歳の成人に多く,男性に多い.耳下腺炎後3週以内に発病することが多いが本症例のように耳下腺炎に先行することもある.また,耳下腺炎を合併しないこともあり,この場合は血清学的診断を要する.一般的には多関節炎をきたし,しばしば遊走性であるが,小児では罹患関節数が少なく症状も軽い傾向がある.治療として抗生剤は無効であり,対症療法が主となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら