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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻12号

1987年12月発行

文献概要

臨床経験

陳旧性長内転筋皮下断裂の2例

著者: 今村安秀1 平良勝成1 奥村栄次郎1 徳橋泰明1 大野研二1 大幸俊三1 佐藤勤也1

所属機関: 1日本大学医学部附属駿河台病院整形外科

ページ範囲:P.1411 - P.1414

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 抄録:長内転筋皮下断裂の報告は1895年Abbe以来欧米では23例あるが,本邦ではわれわれの調べ得た範囲では未だ報告されていない.受傷機転として,長内転筋が収縮している状態で強大な股関節外転力が加わった場合が考えられる.診断は,詳細な病歴聴取,触診にて大腿内側近位部に可動性の軟部腫瘤を触れ,抵抗を加えて股関節を内転させると腫瘤が中枢側へ移動し,腫瘤の末梢側に陥凹を触知することである.X線診断には,軟線撮影,CTが有用である.軟線では腫瘤形成が,CTでは内転筋の部分消失が認められる.鑑別を要する主な疾患としては,大腿ヘルニア,血腫,軟部腫瘍等がある.治療については,新鮮例では,可及的早期に断端縫合を行うことが機能的に良い結果が得られるとする報告がある.陳旧例では,特に症状のないものに対しては経過観察のみで,何らかの愁訴のあるものに対して,筋切除,または断端縫合を行う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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