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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻12号

1987年12月発行

文献概要

臨床経験

動脈瘤様骨嚢腫に対する放射線治療の1例

著者: 波多野希1 前田昌穂1 木下嚴太郎1 高岩均1 塩田誠1

所属機関: 1兵庫医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.1433 - P.1437

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 抄録:四肢長管骨に発生した動脈瘤様骨嚢腫に対しては,一般的に外科的治療が主体をなす.今回,外科的治療後1年を経て再発をきたし巨大病巣を呈した1例に対して,放射線治療を施行し良好な結果を得た.症例は8歳女児.単純X線写真では,脛骨遠位骨幹端にいわゆる"Blow out appearance"を認め,病的骨折も伴っていた.外科的治療では足関節及び骨端線機能を温存し得ないと判断し,病巣の鎮静化を目的に術前照射として少線量高エネルギー照射(Linac 10MV X-ray 500 rad)を施行した.以後急速に病巣の縮小を認めた為,保存的に経過を見たが1年6ヵ月後の現在,再発を認めず下肢機能に何等異常はない.良性腫瘍に対する放射線治療は,悪性変化例の報告も散見され慎重を要する.
 今回の如く,少線量照射が奏功することは当初予想し得なかったが,本症例の経験を生かし,今後更に最少有効線量の検討を重ねる必要があると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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