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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻2号

1987年02月発行

論述

Wagner式脚延長術

著者: 八木知徳1 佐々木鉄人1 門司順一1 安田和則1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.141 - P.149

文献概要

 抄録:Wagner創外固定器を用いた脚延長法は,早期離床が可能で,隣接関節運動を許し,大きな延長が得られるのみならず,重篤な合併症が少なく,優れた方法である.本法を用い1977年より8例の脚長不同症例に対し,9回の脚延長術を行った.大腿骨延長7回,脛骨延長2回である.平均延長距離は5.1cmで,延長に要した期間は49日である.膝関節可動域は34歳のポリオ例で10°減少した以外は,全例術前に回復し,正坐可能となった.1例は同一大腿骨を2回,計12.5cm延長した.
 合併症は重篤なものとして骨髄炎が1例,骨折が3例あった.軽微なものとして,遷延治癒2例,ピン刺入部感染3例,一過性神経麻痺4例があり,合併症が全くなかった延長術は3回のみであった.従来の方法に比べ,神経・血管系や周囲関節機能に対する重篤な合併症が少なく,かつ大きな延長が得られる良い方法と思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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