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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻2号

1987年02月発行

文献概要

シンポジウム 陳旧性肘関節周囲骨折の治療

肘関節周辺骨折,脱臼後に生じやすい変形と機能障害の把握とその治療

著者: 阿部宗昭1 木下光雄1 茂松茂人1 土肥恒夫1 井上隆1

所属機関: 1大阪医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.151 - P.163

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 抄録:肘関節外傷後に生じやすい変形は内反肘と外反肘である.内反肘の多くは顆上骨折と骨端線離解後に発生する.原因は末梢骨片の内反傾斜であり,一たん生じた変形は自家矯正されないので早期の楔状骨切り術による手術的矯正が必要である.外反肘変形は外顆骨折後の偽関節によるものが大部分であり,変形は成長が終了するまで経年的に増大する.偽関節は骨片転位が軽微なものに生じやすいが,1年以内のものは偽関節部の骨癒合を目指して積極的に手術すべきである.
 肘関節の機能障害は屈伸及び回旋の運動障害,不安定肘,遅発性神経麻痺による手指の機能障害が主なものである.顆上骨折後の屈曲障害は変形治癒が原因であり顆上骨切り術によって改善する.異所性骨化による拘縮は保存的に改善しにくく骨化部切除による関節解離手術が必要となる.しかし化骨性筋炎の場合は保存的に徐々に改善することが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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