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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻2号

1987年02月発行

文献概要

シンポジウム 陳旧性肘関節周囲骨折の治療

陳旧性モンテギア脱臼骨折の治療

著者: 吉津孝衛1

所属機関: 1(財)新潟手の外科研究所

ページ範囲:P.165 - P.174

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 抄録:陳旧性Monteggia脱臼骨折の小児21例,成人2例に対し二次的な肘関節の変化の予防を目的として,小児18例に対し解剖学的整復およびその維持の確実さから尺骨角状骨切り術を中心に,必要あれば橈骨回旋骨切り術を追加することにより治療し,他の5例は橈骨頭切除を行い最長26年4カ月平均7.5年の長期観察を行った.Bado I型10例,II型2例,III型9例,IV型2例で放置期間は17日から11年平均1年5ヵ月である.尺骨角状骨切り術で整復が良好な場合は橈骨頭肥大が軽度認められるのみであるが,整復不十分例および橈骨回旋骨切り術,特に後者では橈骨頭変形,上腕小頭扁平化などが早期に認められる.解剖学的整復の重要性が明らかで,そのためには尺骨の変形治癒に対する角状骨切りが最も有効である.橈骨頭切除は肘変形症,外反肘,可動制限,不安定性,運動痛さらには手関節部尺骨のplus variantが認められる傾向にあるため,その適応はできる限り制限すべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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