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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻2号

1987年02月発行

文献概要

シンポジウム 陳旧性肘関節周囲骨折の治療

小児上腕骨顆上骨折後の変形治癒—その病態と治療

著者: 薄井正道1 倉秀治1 石井清一1 荻野利彦2 山元功2 菅原誠3

所属機関: 1札幌医科大学整形外科学教室 2北海道大学医学部整形外科 3札幌逓信病院整形外科

ページ範囲:P.185 - P.193

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 抄録:上腕骨顆上伸展骨折の変形治癒には末梢骨片の内反,内旋,過伸展の3要素が関与している.本論文では,とくに内旋要素と内反肘発生の関係を明らかにするために,骨格標本を用いた骨折モデルを作製し,同時に内反肘児18例を対象に著者らが考案した内旋偏位角測定法により内旋偏位角を測定した.また,著者らが行っている内旋偏位の矯正を加味した矯正骨切り術の術式を紹介し,その成績を検討した.さらに,内旋変形が肘関節運動にあたえる影響を知るために16mm映画撮影と肘変形モデルによる検討を加えた.その結果,内旋偏位は内反肘発生の要因となることが,骨折線と骨片の転位方向により説明できた.臨床例では,18例中16例(87%)に20°以上(平均39°)の内旋偏位が存在していた.著者らの手術方法により変形の3要素はほぼ矯正されていた.内旋を伴った内反肘は,三次元的に非生理的な運動を示した.これらの事実は内旋変形矯正の妥当性を示していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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