icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻3号

1987年03月発行

文献概要

臨床経験

化膿性仙腸関節炎に続発したと思われる腰筋膿瘍の1例

著者: 五十嵐康美1 遠藤崇1 小野雄司2 花山寛隆3

所属機関: 1山本組合総合病院整形外科 2山本組合総合病院外科 3山本組合総合病院放射線科

ページ範囲:P.337 - P.340

文献購入ページに移動
 抄録:発熱と腰痛で発症し,強い炎症所見を伴って右股関節部の疼痛を示した50歳,女の糖尿病患者を化膿性股関節炎と診断した.切開排膿を目的として行った硬膜外麻酔に際し背部から膿が流出したため,CTを施行して腰筋膿瘍を確認した.腹膜外より排膿洗浄,ドレナージを行い,症状の改善をみた.膿よりStaphylococcus epidermidisを検出した.経過の観察にもCTが有用であった.X線写真とシンチグラムにより,感染は同側の化膿性仙腸関節炎から波及したものと推定された.腰筋膿瘍の診断はpsoas shadowの変化や,いわゆるpsoas signに留意すれば困難ではないが,整形外科の日常診療で遭遇することはかなりまれと思われ,多彩な症状を示すことから,本疾患が念頭になければ診断に困難を来すと予想される.このため腰痛,股関節痛の診療では本疾患を鑑別診断に加えることが重要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら