文献詳細
特集 腰仙部根症状の発症機序—基礎と臨床—(第15回日本脊椎外科研究会より)
文献概要
腰仙部神経根障害の診断に電気生理学的検査法が採用されるようになり,形態所見のみでは識別困難な障害根の把握はもとより,予後の判定,神経病態の解明が可能になってきている.本セクションはこの領域の6題が発表された.5題は,腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症による馬尾神経障害及び神経根障害を対象とし,他は腰仙部脊柱管狭窄モデルについての実験的検索である(表参照).
Ⅱ-6の馬場ら(金沢大)は体性感覚誘発電位(SSEP)及び馬尾神経活動電位(CEAP)により電気診断の病態生理学的意義を検討している.SSEPでは,一次成分(P28,N31)の異常が高率で神経根障害を反映し,二次成分(P37,N46)の異常が加われば障害が馬尾神経に及んでいる可能性を示す.CEAPは障害度の把握に有用であり,特に振幅減少の左右差が30〜40%であれば機能障害,80%以上では神経脱落が示唆される.質問に答えて,神経脱落は中でも知覚と深く関係すると述べられた.
Ⅱ-6の馬場ら(金沢大)は体性感覚誘発電位(SSEP)及び馬尾神経活動電位(CEAP)により電気診断の病態生理学的意義を検討している.SSEPでは,一次成分(P28,N31)の異常が高率で神経根障害を反映し,二次成分(P37,N46)の異常が加われば障害が馬尾神経に及んでいる可能性を示す.CEAPは障害度の把握に有用であり,特に振幅減少の左右差が30〜40%であれば機能障害,80%以上では神経脱落が示唆される.質問に答えて,神経脱落は中でも知覚と深く関係すると述べられた.
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