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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻4号

1987年04月発行

文献概要

特集 腰仙部根症状の発症機序—基礎と臨床—(第15回日本脊椎外科研究会より)

腰部疾患に起因する疼痛の発現機序—神経伝達物質の立場より

著者: 正木国弘1 井形高明1 加藤真介1 松村光博2

所属機関: 1徳島大学医学部整形外科 2徳島市民病院内科

ページ範囲:P.379 - P.385

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 抄録:腰仙椎に起因した神経根症状を有する腰椎椎間板ヘルニア(LDH)13例および腰部脊柱管狭窄症(LSS)12例について,疼痛の発現機序と神経伝達物質との関連性を検討した.神経伝達物質測定の検体は,myelography施行時に採取した脳脊髄液であり,1mlあたりトラジロール500KIUおよびEDTA 1.2mg入れた試験管に採取した.脳脊髄液中のβ-エンドルフィン様免疫活性(β-END-LI)およびサブスタンスP様免疫活性(SP-LI)は,radioimmunoassayにより測定した.β-END-LIの平均基礎値は,LDH 17.2pg/ml,LSS 16.0pg/mlであり,健常例2.16pg/mlに比較して高値であった.一方,SP-LIの平均基礎値は,各々6.96pg/ml,6.31pg/mlと健常例2.85pg/mlに比較し,約2.5倍の増量がみられた.以上の神経伝達物質の高値は,腰部疾患(特にLDH,LSS)の疼痛発現機序に関与していることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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