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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻4号

1987年04月発行

文献概要

特集 腰仙部根症状の発症機序—基礎と臨床—(第15回日本脊椎外科研究会より)

Hip-Spine Syndrome

著者: 江原宗平1 斎藤正伸1 米延策雄1 西塔進1 藤原桂樹1 山下和夫1 仁科哲彦1 小野啓郎1 山本利美雄2 門脇徹2 浜田秀樹3 久保雅敬3

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室 2大阪厚生年金病院整形外科 3大阪府立病院整形外科

ページ範囲:P.392 - P.399

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 抄録:腰痛・下肢痛を主訴とし,股関節と腰椎の双方に疾患を合併する場合に股関節あるいは腰椎のいずれを治療するべきか判断に苦慮する.その点を明らかにするために変股症を中心とする股関節疾患に腰痛を伴う28例と腰仙部根症状を伴う25例並びに対照群として腰痛・腰仙部根症状のない変股症16例を検討し以下の結果を得た.腰痛・腰仙部根症状例の股関節は対照群と比べて屈曲・内転拘縮の強い進行期〜末期変股症が多く,また画像上,腰椎に多くの疾患因子を認めた.中でも腰仙部根症状例では12例に腰椎辷り症を12例に脊柱管狭窄症を認めた.人工関節置換術後これらの腰痛・腰仙部根症状は著明に消失した.以上のことから股関節疾患が腰椎に影響を与えて腰痛・腰仙部根症状を発生したと考えられ,Hip-Spine Syndromeの治療は股関節から開始するべきであるといえた.逆に股関節からの影響を除くことにより腰仙部根症状が消失したことから腰仙部根症状の治療において椎間関節切除などの神経根の除圧術以外の治療方法の可能性も考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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