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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻4号

1987年04月発行

文献概要

特集 腰仙部根症状の発症機序—基礎と臨床—(第15回日本脊椎外科研究会より)

腰部椎間板ヘルニア神経根症状の椎間板造影による検討

著者: 山田久孝1 若野紘一1 里見和彦1 平林洌1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.423 - P.428

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 抄録:腰部椎間板造影法は,造影像により椎間板側の状態を,造影剤注入時の下肢放散痛により神経根側の状態を把握する事が可能である.今回我々は,手術によって確認した腰部椎間板ヘルニア50例,53椎間について,椎間板造影による注入時下肢痛の発現率と神経根症状との関連を調査し,造影所見および手術所見を参考として,疼痛の発現機序を検討した.SLRの程度と運動,知覚障害の有無によって,注入時下肢放散痛の発現率に有意な相関がみられた事から,注入時下肢痛は神経根のirritabilityと軽度のdegenerationを反映すると考えられた.ヘルニア形態では,protrusion型に対して,prolapse型での発現率が有意に高く,ヘルニアの突出状態も注入時下肢痛の発現に大きく関与すると考えられた.しかし椎間板の変性度および椎間高位による発現率には有意差は認められなかった.椎間板のみならず,神経根の病態をも同時に把握できる椎間板造影法は,神経根症状の発現機序を理解する上でも有用な補助診断法と言える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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