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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻4号

1987年04月発行

文献概要

特集 腰仙部根症状の発症機序—基礎と臨床—(第15回日本脊椎外科研究会より)

血管系よりみた腰部脊柱管狭窄症の発症機序

著者: 山岸正明1

所属機関: 1防衛医科大学整形外科 2 3

ページ範囲:P.523 - P.528

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 抄録:新鮮屍体の脊髄円錐,馬尾および神経根の動静脈分布と形態を観察し,腰部脊柱管狭窄症の症状発現の機序を検討した.動脈系は馬尾および脊髄円錐部で豊富で,その分布は分節的であり,また,馬尾の全長にわたって根動脈が伴走し,water-shedといえる様な部分は認められなかった.静脈系では硬膜内静脈は遠心性に脊柱管内静脈叢へ灌流する.硬膜部に弁様作用が存在し逆流はし難い.また,脊柱管内の神経根も静脈叢への豊富な灌流静脈を有する.以上より,物理的圧迫に弱い脊柱管内静脈叢の灌流障害により,硬膜内のうっ血が惹起され,神経組織のanoxiaが招来され,馬尾性間欠跛行の症状発現に至ると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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