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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻5号

1987年05月発行

文献概要

論述

ステロイド性大腿骨頭壊死

著者: 増田武志1 松野誠夫1 松野丈夫1 長谷川功1 菅野大己1 山口秀夫1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.565 - P.572

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 抄録:当科における214例の特発性大腿骨頭壊死のうち,ステロイド性は96例であった.発症頻度を性別でみると,男性が50人,女性が46人であり,発症年齢の分布は20代にピークがあり,30代以降漸次減少していた.両側罹患率は71%であった.基礎疾患としてはSLEが31人と最も多く,腎疾患,肝疾患,血液疾患と続いている.これらステロイド性骨頭壊死のX線学的特徴を検討すると,興味深い関係がみられた.すなわち,壊死範囲の小さいものは初期徴候として骨硬化像を示すものが多く,一方,範囲の大きいものは修復反応が明らかになる以前に,軟骨下骨質の骨折等が生じ,関節面不整像を呈する例の多い傾向が認められた.ステロイド性骨頭壊死は一般に壊死範囲も大きく,正常骨との境界部における修復反応が乏しい例が多く,これらの症例に対しては早期診断法として,骨シンチグラフィーが有効であると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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