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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻5号

1987年05月発行

文献概要

論述

Methotrexateとcis-platinumの臨床薬物動態と骨肉腫のNeo-Adjuvant療法

著者: 佐々木邦明1 村上正1 松岡初文1 藤本孟男1 小野田卓夫2 丹羽滋郎2 原一夫3

所属機関: 1愛知医科大学小児科 2愛知医科大学整形外科 3愛知医科大学第1病理

ページ範囲:P.581 - P.589

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 抄録:Methotrexate(MTX)とcis-platinum(CDDP)の臨床薬物動態に基づく骨肉腫のNeo-Adjuvant療法の成績について報告した.MTX超大量療法(300mg/kg)では,血中MTX濃度は7×10-4Mに達した.血中濃度の消退パターンは2相性で,CF救助療法を9時間目より併用する事により,臨床毒性は軽微であった.CDDP120mg/m26時間持続静注時の血中総CDDP濃度は,8μg/mlで,30〜40%が活性型の遊離CDDPであった.遊離CDDPは半減期は50分で血中より速やかに消失するため,腫瘍細胞に薬剤を充分時間接触させるには持続静注が必要と考えられた.
 9例の骨肉腫患児を対象として,Neo-Adjuvant療法のパイロット研究を行った.術前のHD-MTXには2例が著効(Grade III,IV)し,3例に有効(Grade II)で,4例は無効(Grade I)であった.7例で患肢温存手術を行った.術後は術前HD-MTXの効果を指標として,有効例(Grade IV,III)にはMTXを,無効例(Grade II,I)にはCDDPを中軸にしたadjuvant療法を行った.HD-MTXにGrade II以上の反応を示した5例全例とGrade Iの1例は術後9,12,28,37,52,60カ月間disease freeで生存している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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