文献詳細
文献概要
手術手技シリーズ 関節の手術<上肢>
SWANSON人工指関節
著者: 中嶋洋1 多田浩一2
所属機関: 1住友病院整形外科 2香川医科大学整形外科学教室
ページ範囲:P.643 - P.652
文献購入ページに移動人工指関節は1959年,Braun,Kleinらがhinge type,metal prosthesisを発表して以来,Flatt6),Steffee1),Swanson10),Nierbaur8),Doi5)らにより数種のモデルが報告されてきた.大関節と同じく骨セメントを用いるhinge型人工関節は骨吸収や骨折,prosthesisの折損などのために使用されなくなってきた.現在最も用いられるのはSwansonのデザインによるsilastic implantである.最近,諸施設から長期成績およびsilicone inducedsynovitisをも含めた晩期合併症が報告されており1,2,9,13),再評価の時期にあると考えられる.Swanson自身の手術成績では,6ヵ月から5年間の358MP関節における追跡調査で平均60°の術後の関節可動域を得ている.変形の矯正は尺屈変形が96.8%,掌側亜脱臼が98.9%に獲得されている10).また,implantの折損は1.9-26%と報告されている1,3,10).1975年以来,強化シリコンであるhigh-performance silicone elastomerが材質として使用され,これにより明らかにimplantの折損は減少している11).
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