icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻6号

1987年06月発行

文献概要

論述

外傷後膝伸展拘縮に対する治療と成績—大腿四頭筋形成術を中心として

著者: 岡本連三1 腰野富久1 藤井英也1 伊藤淳1

所属機関: 1横浜市立大学整形外科学教室

ページ範囲:P.686 - P.692

文献購入ページに移動
 抄録:外傷後の膝高度伸展拘縮例に大腿四頭筋形成術を行った.対象は骨折後14膝(感染合併4膝),高位脛骨骨切り術などの抜釘時に行ったもの15膝,計28例29膝(男10,女18)であった.手術法はThompson法を主体の四頭筋形成術であるが,本法のみで不十分な例にJudet法(3膝)を追加した.骨折後14膝について,術前膝屈曲平均47°,術後114°,平均64°の改善を得た.正座可能例3例見られた.合併症として,膝蓋部の皮膚壊死が2例あり.有茎植皮術を行ったが,1例は屈曲30°と術前と変わらなかったが,他は125°屈曲可能であった.一方脛骨骨切り後の抜釘時に行った15膝では術前平均85°,術後104°,平均改善度19°と改善角度は小さかったが,術後の屈曲角度は前者とほぼ同じであった,本手術は満足しうる手術と考えられる.手術後得られた屈曲角度が術後減少してしまう例が見られ,後療法の良否が重要で,当科では術後4日〜1週間内に90°以上屈曲するよう工夫している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら