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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻6号

1987年06月発行

文献概要

論述

先天股脱の年次別発生頻度と地域別頻度—福島保健所管轄下地域における過去10年間の調査結果

著者: 渡辺真1 柳沢正信1 福田茂1 高橋功1

所属機関: 1福島県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.719 - P.724

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 抄録:新生児期における股オムツの導入による先天股脱の発生頻度の推移および地理的環境の異なる地域での発生頻度の差異を調査して以下の結果を得た.調査期間は昭和51〜60年の連続10年間,対象は小学校就学児童(昭和44〜53年生れ)46,161名,地域は福島市(市街部および農村部)と飯野町・川俣町(山間部)であった.
 1)発生頻度は市街部2.02%,農村部2.39%,山間部3.53%で山間部に高頻度であった.2)股オムツの導入により三地域とも頻度は以前の約1/3に減じた.3)先天股脱の内訳は市街部と農村部では脱臼が約1/3であるのに対し,山間部では脱臼が約1/2を占めていた.4)乳児が出生後2,3カ月あるいは4カ月をすごす時期が寒い時期に高頻度であった.5)山間部の高頻度は寒さが影響しているものと推測された.6)出生後2,3ヵ月あるいは4ヵ月の間の環境(育児など)が重要な成因因子となっているものと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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