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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻6号

1987年06月発行

文献概要

臨床経験

放射線照射後に発症した大腿骨頭辷り症の1例

著者: 寺田洋1 臼井宏1 中村豊1 千葉昌宏1 山路修身1 大場良臣2

所属機関: 1東海大学医学部整形外科学教室 2大場整形外科医院

ページ範囲:P.775 - P.778

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 抄録:放射線照射が原因で発症したと思われる大腿骨頭辷り症の1例を経験したので報告する.症例は12歳男児,右股関節痛及び跛行を訴え来院した.生後7ヵ月時に右停留睾丸のEmbryonal Carcinomaにて摘出術を受け,術後再発予防目的で,腰椎および両股関節を含む骨盤部に3,000rad.のライナック照射を受けている.右股関節に圧痛及び屈曲,内旋制限を認め,Drehmann's signが陽性であった.X線より右大腿骨頭辷り症と診断,Southwickの転子下骨切り術を施行した.放射線照射による大腿骨頭辷り症の報告は少なく,本邦では5例の報告を見るのみである.報告例に見られる特徴より,放射線照射後に発症する辷り症は,放射線照射による骨端軟骨の遺残性障害に,思春期前期の成長による負荷の増加や,ホルモンの変動などの因子が加わり発症すると推察される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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