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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻6号

1987年06月発行

文献概要

臨床経験

Cefoperazoneの関節包と関節液への移行性の検討

著者: 白川貴浩1 岸本郁男1 森下忍1 森田純弘1 島田恭光1 三田村有二1 太田利夫1 辻卓司1 小野村敏信1

所属機関: 1大阪医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.791 - P.795

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 抄録:静脈内に投与したCefoperazoneの血中及び関節組織内濃度を測定し,その移行性について検討した.対象は主として股及び膝関節形成術を行った21例である(股関節18例,膝関節3例).Cefoperazone 2gを術前30分間で点滴静注し,点滴終了後1乃至4時間後に静脈血及び関節包を同時に採取し,可能なものには関節液を採取した.各検体の抗生物質濃度は薄層カップ法により測定した.点滴終了後4時間までの平均値では股関節,膝関節症例ともに血清,関節液,関節包の順に高濃度を示し,股関節症例では4時間値においても関節包内濃度の平均値は17.3μg/gと高濃度が維持されていた.股関節症例に対してarea under the curve(AUC)法を用いて薬物動力学的解析を行うと,関節包及び血清中のAUC1hr→4hrは各々93.65μg・hr/g,175.15μg・hr/gであり,血清から関節包への移行効率は53.5%と良好な移行性を示した.これらの結果から関節手術に際しての予防的な抗生物質投与の方法について,参考となるいくつかの示唆が得られた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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