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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻7号

1987年07月発行

文献概要

論述

頸部脊髄・神経根症の外科的治療後に見られた神経合併症の検討

著者: 江原宗平1 米延策雄1 藤原桂樹1 山下和夫1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.802 - P.810

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 抄録:頸部脊髄症の外科的治療後の神経合併症の原因・病態・対策・予後について調査した.神経合併症の発生頻度は7.1%である.その発生頻度は疾患よりも術式に左右され椎間固定術,椎弓切除術,椎体亜全摘術の順に増加する.神経合併症は,神経根症状の悪化と脊髄症状の悪化に大別され,両者はほぼ同頻度で発生する.神経根症状悪化例は全例C5(6)根症状のみを示した.その原因として移植骨の脱転折損や,最近の椎体亜全摘術等の広範除圧時の脊髄移動に伴う神経根の牽引などが考えられる.全例,術直後は肩・肘の運動は可能であり術中損傷は原因ではない.対策は移植骨の再挿入,牽引等であり全例軽快している.脊髄症状悪化例の原因は,術中操作,術後血腫形成,頸椎のalignmentの乱れ,頸椎過伸展等である.対策は血腫除去,alignmentの矯正であり予後は発見した時期で左右される.神経合併症の早期発見には手の症状(脊髄症状)と肩の症状(根症状)に注意することが大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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