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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻7号

1987年07月発行

文献概要

シンポジウム 多発骨傷

多発骨傷における下肢骨折の治療

著者: 南郷明徳1 三好邦達1 木原仁1 中島久弥1 岡崎徳子1 高梨吾朗1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.865 - P.871

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 抄録:当院救命救急センター開設以来5年半の間に当科が治療に関与した多発骨傷例196例中,下肢帯の骨傷を有する症例は160例81.1%であった.なかでも大腿骨,脛骨骨幹部骨折はそれぞれ下肢帯骨傷の24.8%,23.0%とほぼ半数であった.このように多発骨傷で問題となる両骨骨幹部骨折例について,単独損傷を含め大腿骨74肢,脛骨86肢の治療成績を調査し,多発骨傷における即時内固定の有用性を検討した.その結果,即時内固定は大腿骨では比較的良好な成績であったが,脛骨では骨髄炎,骨癒合遷延などの症例が多く,追加手術も多かった.多発外傷・多発骨傷における下肢長管状骨骨折の即時内固定の,全身管理,早期社会復帰などの面での意義を考え合わせ,大腿骨に対しては,髄内釘などによる即時内固定を,脛骨に対しては,創状態,受診までの時間などによって,即時内固定あるいは創外固定を選択して,多発骨傷者での両骨に対する初期治療を行う方針である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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