icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻7号

1987年07月発行

文献概要

臨床経験

外傷後近位橈尺骨癒合の1例

著者: 島田幸造1 政田和洋1 川端秀彦1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.893 - P.897

文献購入ページに移動
 抄録:橈骨頭骨折を伴う肘関節の脱臼骨折後に近位橈尺関節の癒合をきたした1例を経験した,症例は15歳の男子で12歳時に右橈骨頭骨折を伴う肘関節後方脱臼を受傷し,観血的整復固定術を受けたが,術後,異所性骨化による関節の可動域制限をきたした.2度にわたる授動術を受けたにもかかわらず可動域制限は改善せず,レ線上,近位橈尺関節部の癒合症が認められたため,受傷後1年4カ月後に右肘関節の可動域制限と尺骨神経領域のしびれ感を主訴として当科を受診した.近位橈尺関節の癒合と共に異所性骨化も認められたため異所性骨化の成熟を待った後,シリコン膜を用いた近位橈尺関節授動術を施行した.術後EHDPの投与と慎重な自動的な関節可動域訓練を行いながら経過観察中であるが,術後7カ月の現時点においては橈尺骨癒合の再発はみられない.本症例と共に骨折後の近位橈尺関節癒合の発生因子に関して文献的な考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら