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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻7号

1987年07月発行

文献概要

臨床経験

形質細胞性骨髄炎

著者: 北野元生1 小林康人1 徳藤真一郎2 田村裕昭3 川嶌真人3

所属機関: 1埼玉県立がんセンター病理部 2九州労災病院検査部病理 3川嶌整形外科病院

ページ範囲:P.899 - P.902

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 抄録:形質細胞性骨髄炎は慢性原発性骨髄炎の特殊な型として注目されている.この疾患は長管骨の骨端部などに単発性限局性に発生し,臨床経過が緩慢でレ線的に限局性の骨の透亮像を示すため,臨床的に骨腫瘍との鑑別が困難なことが多い.従って最終診断は病理組織学的検索によらなければならない.ところが,病理組織学的に病巣は形質細胞に富む肉芽組織からなり,腐骨形成などがみられないため,形質細胞性腫瘍(骨髄腫)とまぎらわしいことがあるので注意が必要である.
 われわれは14歳男児の左脛骨末端部に生じた本疾患を検索する機会を得た.本論文はこの症例の臨床経過の概要と病理組織学的所見を述べた.加えて,病巣の形質細胞が多クローン性に出現して来たものであることを明らかにするとともに,免疫組織化学的手技が単一クローン由来の骨髄腫との鑑別に極めて有用であることを示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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