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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻8号

1987年08月発行

文献概要

論述

特発性大腿骨頭壊死の治療におけるBipolar Endoprosthesis使用についての問題点

著者: 小林昌幸1 増田武志1 長谷川功1 菅野大己1 一岡義章1 山口秀夫1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.928 - P.934

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 抄録:特発性大腿骨頭壊死の治療においてBipolar Endoprosthesisによる骨頭置換術を施行した場合,術後なんらかの愁訴をもつ患者がいる.その原因を調べるため,当科で本術式を施行した22例,29股について検討した.29股中なんらかの愁訴を持つのは16股であった.うち3股ではX線上outer headのproximal migrationが認められた.それ以外の13股の愁訴の原因を,使用した機種,病因,骨セメント使用の有無,術後経過観察期間,X線所見(outer headと臼蓋の適合性,ステムのcalcar contactの有無,術後の脚短縮・延長,ステム周囲の変化(radiolucent zone,骨硬化像)について検討した.しかし,これらの要素はいずれも愁訴の原因とは考えられなかった.一方,prosthesisの再置換術時得られた臼蓋軟骨には病理組織学的に異常を認めた.そこで,Bipolar Endoprosthesis使用後に見られる愁訴の発現にあたっては金属対関節軟骨という組み合わせに問題があるのではないかと推察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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