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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻8号

1987年08月発行

文献概要

シンポジウム 椎間板注入療法の基礎

コラゲナーゼ注入椎間板の生体力学的変化—キモパパインと比較して

著者: 小柳貴裕1 若野紘一1 平林洌1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.958 - P.964

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 抄録:Chymopapainによるchemonucleoysisは欧米では腰部椎間板ヘルニアに対する準保存的治療法として定着している.一方bacterial collagenaseがanaphylaxisのない点で注目され,新しいdiscolytic agentとして臨床応用が企てられている.今回,著者らはchymopapainとcollagenaseを雑種成犬44頭の椎間板に注入し,生体力学的に比較検討を行い,あわせてその効果発現機序につき考察を加えた.注入短期群では両酵素群ともX線上,椎間板高の狭小化を認め,圧縮負荷に対し,正常群に比し軟らかく反応した.また圧縮負荷に対する椎間板内圧上昇機能も正常群の約半分に低下した.Chymopapain注入群では長期間後に椎間板高,椎間板の圧縮負荷に対する反応は正常群に近く回復したのに対し,collagenase注入群では長期間後それらの回復が乏しかった.またcollagenase注入群には無効例が存在した.以上,今後検討すべき多少の問題はあるものの,chemonucleolysisに際し,collagenaseも用いてよい物質と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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