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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻9号

1987年09月発行

文献概要

論述

後十字靱帯損傷に対する保存的治療—動揺のメカニズムと装具の効用

著者: 林承弘1 石橋俊郎1 水田隆之1 長束裕1 山本晴康2 宗田大2 冨松隆2 鈴木博之2 高木博史3 飯田勝3

所属機関: 1川口工業総合病院整形外科 2東京医科歯科大学整形外科 3埼玉県障害者リハビリテーションセンター整形外科

ページ範囲:P.1055 - P.1064

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 抄録:膝後十字靱帯損傷における動揺のメカニズムを明らかにするとともに,装具による保存的治療の有効性について検討した.対象は陳旧例16例,新鮮例9例,計25例の後方動揺膝で,先ずそれらの臨床像について調べ,次に側面X線および筋電図を用いて,ADL上いかなる状況でsaggingが生じるかをバイオメカニカルな面より調べた.その結果,saggingは階段下降時,患肢をtoe-offする時など非荷重位でのみ生じ,しゃがみ込み動作時など荷重位では生じ得ないことがわかった,また後方制動装具の使用により,階段下降時などでのsaggingが抑えられ,同時にその際に発生する不安感も消失した.こうして装具を数ヵ月間装着した後,多くの症例では装具なしでも不安感を訴えなくなった.後方動揺では,他の複合靱帯損傷を合併しない限りdisabilityが少なく,装具による保存療法で十分なことが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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