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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻9号

1987年09月発行

文献概要

臨床経験

過成長を伴った下腿グロームス腫瘍の1例

著者: 鶴薗雅史1 高倉義典1 三井宜夫1 島屋正孝1 宮内義純1 青木孝1 増原建二1

所属機関: 1奈良県立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.1111 - P.1114

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 抄録:われわれは過成長を伴う左下腿に発生したグロームス腫瘍を最近経験したので報告する.症例は21歳男性で主訴は左下腿外側部の腫脹および疼痛であった.現病歴は約5年前より左下腿外側部の疼痛と腫脹に気づくも放置していた.約1年前より同部の圧痛が著明となり当科を受診した.現症は左下腿外側の中下1/3部および左外果部にそれぞれ約2×2cm,約3×2cmの腫脹を認め,同部に著明な圧痛が存在した.
 単純X線像では脛骨の長さが患側に0.7cmの過成長を認め,腓骨の長さで患側に0.9cmの過成長が存在し,特に外果部でその所見が著明であった.ゼログラフィーおよびCT検査で同部に軟部腫瘍陰影が認められたため,腫瘍摘出術を施行した.臨床および組織学的所見よりグロームス腫瘍と診断した.なお,過成長の原因はグロームス腫瘍に存在しているarterio-venous anastomosisにより成長期の骨発育が助長されて生じたと推測される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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