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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科22巻9号

1987年09月発行

文献概要

臨床経験

手舟状骨亜脱臼の1例

著者: 中野謙二1 山田総平1 渡部圭介1 加藤公1 細井哲1

所属機関: 1山田赤十字病院整形外科

ページ範囲:P.1115 - P.1117

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 抄録:手舟状骨亜脱臼の1例を報告する.症例は,51歳男,乗用車運転中の衝突事故で受傷,手関節腫脹,圧痛があり,X線撮影で,舟状骨—月状骨間拡大,舟状骨の短縮,ring signが認められた.観血的整復固定術を施行した.手関節背側を縦皮切にて侵入,舟状骨—月状骨間は完全に離開し,舟状骨は,背側に回旋亜脱臼を呈していた.用手的に整復可能で,手関節橈屈にて舟状骨—月状骨間が整復された.その位置で経皮的にC-wire 2本にて固定,靱帯修復後約4週間のcast固定を施行した.術後3ヵ月経過した現在同部に症状なく,可動域良好,X線的に軽度の舟状骨—月状骨間離開を残すが,ほぼ問題なく以前の生活に復帰している.手関節外傷によるcarpal instabilityのうちの舟状骨回旋亜脱臼と考えられ,これらは初期治療において整復固定を怠ると,将来手関節障害を残す要因となる為要注意であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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