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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻1号

1988年01月発行

文献概要

論述

脂肪肉腫の治療成績

著者: 網野勝久1 川口智義1 松本誠一1 真鍋淳1 古屋光太郎2 磯辺靖2 北川知行3

所属機関: 1癌研究会附属病院整形外科 2東京医科歯科大学整形外科 3癌研究所病理部

ページ範囲:P.33 - P.40

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 抄録:最近10年間の自験脂肪肉腫31例について,手術療法,放射線照射,化学療法の治療成績と,組織学的悪性度と術後化学療法の適応に関して検討を行った.生存24例,死亡7例で,Mo29例の5年累積生存率は78.5%であった.局所再発は再発受診例の2例に生じ,術後1年以上経過した26例中7.7%であった.四肢発生の30例についてみると,初回切断した2例と再発後切断した1例を除いて27例(90%)の患肢温存が可能であった.また粘液型に分類された症例の中に予後不良例が含まれていることから,predominancyとしては粘液型を示しながら,処々に未分化な円形細胞などの集籏を認める例を組織学的高悪性群として分類してみた.円形細胞型と多形型を含めたこの組織学的高悪性群は転移の危険率が高く,adjuvant化学療法適応の一つの判断基準になりうると考えられた.今後も組織学的所見にとどまらず,臨床的悪性度との対比で亜型分類を再考していく必要があろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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