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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻1号

1988年01月発行

文献概要

臨床経験

多発性骨巨細胞腫の1例

著者: 高岩均1 前田昌穂1 木下厳太郎1 美崎晋1

所属機関: 1兵庫医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.111 - P.114

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 抄録:18歳男性,右大腿骨近位及び遠位端に発生した多発性骨巨細胞腫の1例を経験した.文献的には1937年Konjetznyの報告をはじめとして現在までに32例を数えるのみである.発症年齢は平均25歳,病巣数3〜4病巣が平均である.発生部位は単発例と同様に膝周辺に多いが,手に発生しやすいのが特徴といえる.また,局所再発率の高いこともこの疾患の一つの特徴であり,掻爬では60%,切除(準切除を含む)例でも16%に再発がみられている.しかしながら生命的予後は良好であり,全例ともに肺転移は認められず,腫瘍死したものはない.本疾患がmetastasisであるかmulticentricであるかの見解はいまだ明らかではない.しかし,本症例では初診時に2ヵ所の病巣が認められたこと,病理組織学的検索においても両病巣は明らかに独立していたこと,肺転移のないことにより多発性骨巨細胞腫と判断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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