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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻10号

1988年10月発行

文献概要

シンポジウム 大腿骨頭壊死症の最近の進歩

大腿骨頭壊死症の最近の進歩—緒言

著者: 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1189 - P.1189

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 「骨が死ぬ」という奇妙な現象は,患者さんに説明するのも一苦労であった.「某有名歌手が骨の腐る病気らしい」という週刊誌情報があってこのかた,やや納得が得やすくなったという.実のところ起きてしまえば事態は深刻である.壮年期の人達の両側大腿骨頭をしばしば侵し,たとえ適切な治療が行われたとしても生涯にわたり活動範囲や就労に制約をうけるおそれがある.原因は? 予防は? 診断は? 有効な早期治療はあるのか? salvageする手段は? 100年も以前からその存在が知られていながら,成人の特発性大腿骨頭壊死症が日本で注目を集めたのはたかだか20年この方である.Legg-Calvé-Perthes病(1910)が10数年遅れで我が国でも詳細に報告されていることを考えあわせると,まことに奇異の感がある.しかし,その後,成人骨壊死に関する研究の進展ぶりは目覚ましい.厚生省の調査研究班結成がその原動力となったことは疑いないところである.力点がおかれているのは,画像診断の進歩,病期の進展に関する共通した基準,早期の大腿骨頭温存手術開発と優れた人工骨頭・人工関節置換によるsalvage,さらに内科との共同による疫学調査やリスク要因の追究等々である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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