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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻11号

1988年11月発行

論述

尺骨神経管症候群—病態,臨床像と手術成績

著者: 高畑智嗣1 荻野利彦1 三浪明男1 福田公孝1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1329 - P.1334

文献概要

 抄録:Guyon管における尺骨神経のentrapment neuropathyは,尺骨神経管症候群とよばれる.著者らが経験した8例の尺骨神経管症候群について,臨床像と手術時所見を分析し,診断および治療上の問題点を検討した.臨床症状は,尺骨神経の障害部位に応じて,様々な運動障害と知覚障害の組合せを示した.従来の分類には無い,小指外転筋のみが麻痺した1例を経験した.全例でGuyon管を開放し,6例で明瞭な神経圧迫所見を認め,そのうち4例はガングリオンが原因であった.超音波断層検査はガングリオンの発見に威力があるため,尺骨神経管症候群の補助的診断に有用である.明瞭な神経圧迫所見が無かった2例では神経剥離術のみを施行したが,術後の麻痺の回復状態は良好であった.障害部位がGuyon管と考えられる場合には,画像診断で腫瘤等の異常が認められなくとも,Guyon管を開放して内部の状態を確認すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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