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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻11号

1988年11月発行

文献概要

臨床経験

腰仙椎部脊髄硬膜嚢腫の2例

著者: 佐藤公治1 榊原健彦1 松丸輔1

所属機関: 1半田市立半田病院整形外科

ページ範囲:P.1385 - P.1391

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 抄録:最近我々は,膀胱直腸障害と下肢痛を主徴とした,比較的稀な腰仙椎部脊髄硬膜外髄膜嚢腫の2例を経験したので,本症の病態及び手術成績に対し文献的考察を加え報告する.嚢腫は,1例は第12胸椎より第4腰椎部の硬膜管の背側に,他の1例は第5腰椎より第3仙椎部に存在した.2例とも嚢腫の部位に一致して,椎体後縁のscallopingおよび椎弓の菲薄化を認めた.発生学的には,硬膜管に関連した異形成のひとつとして位置づけされ,長期間にわたり徐々に腫大し馬尾神経を圧迫し,神経症状が発現したものと思われる.治療は,2例とも椎弓切除し嚢腫を摘出した.嚢腫は,1例は交通性で,もう1例は非交通性であった.内容は共に髄液であった.組織は,硬膜に類似した繊維性組織であった.画像診断として,脊髄造影(Metrizamide myelography),CTM(CT-myelography)に加え,核磁気共鳴断層撮影装置(MRl:Magnetic resonance imaging)が有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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