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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻11号

1988年11月発行

文献概要

臨床経験

RAで,大腿骨頸部のいわゆるspontaneous fractureをきたした2症例

著者: 萩野哲也1 井口哲弘1 川井和夫1 廣畑和志1

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.1393 - P.1397

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 抄録:我々は過去15年間に慢性関節リウマチ(RA)の大腿骨頸部骨折を14例治療したが,そのうち2例は明らかに転倒などの外傷の既往のない患者である,この2症例の特徴,病因について外傷の既往の明瞭であった他の症例と比較検討した.症例は67歳と54歳の女性のclassical RAで,RA罹患歴は23年と17年で2例ともプレドニソロン服用歴がある.いずれも最初,歩行時や歩行後に疼痛を自覚し,その後,1週以内に高度の疼痛のため歩行不能となっていた.他の症例と比較すると,罹患歴,年齢,stage,class分類では差を認めず,血液所見でも有意な差はない.しかし大腿骨頸部には著明な骨萎縮がみられ2例ともSinghの分類のgrade IIIであった(P=0.02).組織所見では症例1で著明な骨萎縮に加え,菲薄化した大腿骨頸部の骨皮質直下にRA病変と思われる肉芽形成を認め,これも骨脆弱の一因と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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