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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻12号

1988年12月発行

文献概要

臨床経験

両側手背伸筋腱に多発性腱黄色腫を生じた高脂血症の1例

著者: 松田達男1 長谷川幸治1 片山直樹1 伊藤晴夫1 栗林宣雄2

所属機関: 1東京厚生年金病院整形外科 2東京厚生年金病院病理科

ページ範囲:P.1477 - P.1480

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 抄録:われわれは両側手背伸筋腱に多発性腱黄色腫を生じた高脂血症の1例を最近経験したので報告する.症例は34歳男性で主訴は両手背部の無痛性腫瘤であった.現病歴は昭和60年頃より両手背の無痛性腫瘤に気づき近医受診した.昭和61年8月26日精査希望し当科紹介された.
 現症は身長162cm.体重77kg.右手示指から小指,左手中指から環指の手背伸筋腱のMP関節部に米粒大から大豆大の腫瘤あり.両アキレス腱の著明な肥厚があった.組織生検では,コレステリン結晶の出現を伴う黄色腫細胞の増生と線維化が見られた.血液生化学検査では,T-cho 356mg/dl,PL 280mg/dlと高値を示し,TGは101mg/dlで正常であった.リポ蛋白分画では,β-リポ蛋白が増加を示していた.以上よりWHO分類IIa型の高脂血症による腱黄色腫と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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