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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻2号

1988年02月発行

文献概要

論述

脊髄疾患に対する術中超音波診断装置の使用経験—7.5MHz高周波数プローブによる検討

著者: 井須豊彦1 岩崎喜信1 今村博幸1 秋野実1 阿部弘1

所属機関: 1北海道大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.139 - P.145

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 抄録:各種の脊髄疾患に対し,7.5MHz高周波数プローブによる術中超音波診断を行い,画像上の分析結果を報告した.<対象及び方法>対象は,脊髄腫瘍14例(髄内腫瘍11例,硬膜内髄外2例,髄内外,髄外腫瘍1例)と脊髄空洞症7例の計21症例である.術中超音波診断装置は,横河メディカル社U-Sonic Model RT 2600であり,7.5MHzのリニアプローブを用いて,脊髄矢状断像を撮影した.<結果>①髄内腫瘍に合併したcyst 9例中7例と脊髄空洞症7例全例は,anechoicに描出された.small cystを認めたastrocytomaの1例とmicrocystの存在が疑われたependymomaの1例では,cystの同定は出来なかった.②腫瘍実質は14例中10例で,hyperechoicに描出された(astrocytoma 3例中1例,ependymona 3例全例,mixed glioma 3例中2例,hemangioblastoma 2例全例,neurinoma 2例全例,meningioma 1例).〈結語〉①術中超音波診断装置では,large cystic lesionは,容易に診断され,脊髄疾患とくに髄内腫瘍の局在診断には,非常に有用な検査法であった.②高周波数プローブによる術中超音波装置は,脊髄疾患の術中局在を容易とするため,今後,大いに,用いられるべき検査法と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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