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シンポジウム 日本におけるスポーツ整形外科の現状と将来
文献概要
抄録:体協による認定制度発足を契機とし,スポーツドクターの認定問題が論議され,日整会はその認定医制度の上に,昭和61年認定スポーツ医制度を発足させた.この制度の意義と問題点を調査結果から述べる.体協のスポーツドクターの専門標榜科は約半数が整形外科で,これらの整形外科医のうち整形外科スポーツ医学研究会の会員は約40%,日整会の認定医は約70%で二つの制度間に認定基準の差を認める.スポーツ医学の中心テーマの一つであるスポーツ外傷の中で運動器の外傷が最も多く,整形外科がそれを専門対象としていることについて,学会は一般社会に対し啓蒙することが必要で,大学の整形外科でスポーツ医学の教育,診療を拡充すべきと考える.医学の進歩,超専門化の中で,日整会が積極的にスポーツドクターの研修,育成を開始した意義は大きく,受講者も多く,会員のスポーツ医学の知識や指導力の向上が計られ,この制度は的確な社会的対応であったと考える.
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