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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻2号

1988年02月発行

文献概要

手術手技シリーズ 関節の手術<下肢>

カップ関節形成術の手術手技

著者: 田中清介1

所属機関: 1近畿大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.179 - P.184

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はじめに
 Smith-Petersen8)に始まったカップ関節形成術はAufranc1,2),Harris6)へと受け継がれてきた.著者ら9〜15)も昭和41年以降変形性股関節症のみならず,種々の股関節疾患による重度関節機能障害の機能再建のためにカップ関節形成術を行ってきた.しかしその後に開発された人工関節置換術の成績が優れているために,またカップ関節形成術の手術手技に習熟を要すること,一般には習熟しないことからくる成績の不安定なこともあってか,本邦はもとより本場の米国においても一般的な手術とはいえなくなった.とはいえ,カップ関節形成術の成績は人工関節置換術には及ばないものの一応良好といえる成績がえられるために,また骨頭を温存するという大きな魅力があるために,bipolar hipが開発された今日においても,特に若年者には適した手術と考えられる.さらに本法は人工関節置換術を含めた種々関節形成術のうち,活動性のある結核性股関節炎にさえ行える利点がある.また最近では人工関節置換術の合併症による再手術が次第に増えてきており,そこで再びカップ関節形成術が見直されるべき時期にきていると思われる.そのためにも,カップ関節形成術の成績向上には的確な手術手技が要求される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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