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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻2号

1988年02月発行

文献概要

臨床経験

Hurler-Scheie Compoundの1症例

著者: 阪田泰二1 村上恒二1 大瀬戸政司1 日下治1 渡捷一1 生田義和1 津下健哉2 佐倉伸夫3

所属機関: 1広島大学医学部整形外科学教室 2広島県立リハビリテーションセンター 3広島大学医学部小児科教室

ページ範囲:P.193 - P.201

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 抄録:我々は,両手運動障害を主訴とする成人のHurler-Scheie Compoundの1例を経験した.症例は22歳の男性で,既往歴に鼠径・臍・大腿ヘルニアの手術歴があり,2歳頃より両手指DIP関節が屈曲位となり,6歳頃拘縮が増強した.昭和59年7月10日当科を初診した.顔貌は特有のGargoylism様顔貌で,腹部膨満(肝脾腫)・角膜混濁・大動脈閉鎖不全症を認めた.整形外科的には,低身長・短頸・外反股・尖足歩行・上下肢関節の運動制限・鷲手変形・手骨間筋の萎縮・手根管症候群を認めた.血液・尿検査は異常ないが,尿中コンドロイチン硫酸2.4mg/l/dayと増加,分画はデルマタン硫酸100%であり,血中α-L-iduronidase活性は正常の1/4に低下していた.手術は,母指対立再建術・示中指DIP関節固定術・手根管開放術を施行した,病理組織学的にAlcian Blue染色で皮膚の真皮・軟骨・腱鞘内に多量のムコ多糖体の沈着を認めた.症例を供覧し文献的考察を加えて報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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