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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科23巻3号

1988年03月発行

文献概要

論述

変形性股関節症に対するChiari骨盤骨切り術の術後成績—臼蓋唇異常の影響について

著者: 仁科哲彦1 西塔進1 美延幸保1 大園健二1 清水信幸1 高岡邦夫1 小野啓郎1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.247 - P.255

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 抄録:変形性股関節症に対するChiari骨盤骨切り術はすでに確立した治療方法のひとつである.しかし,一方で手術適応,手技が充分規準を満たしているにもかかわらず,術後に疼痛を残す症例が存在する.この原因はいまだ明らかでない.本研究ではChiari骨盤骨切り術の術後成績を左右する因子として術前の股関節造影における臼蓋唇の異常につき検討した.対象症例は58例64関節である.これらの症例はいずれも初期股関節症で,術前に股関節造影を施行し,術後2年以上,平均4年間経過観察された.術前の臼蓋唇像はnormal(23関節),inversion(21関節),tear(20関節)の3群に分類された.全症例の術前JOA-scoreは平均75.6点で,術後は平均90.4点と改善した.しかし,79点以下の成績不良例の割合はnormalで0%,inversionで5%,tearで45%とtearで多かった.このことから術前の臼蓋唇の異常が本手術の重要な予後因子であることがわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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